スケッチ 1 (秋・永遠)
るか
さりげない贈り物のような
白い箱に真っ赤なリボンをあしらった
その箱の中のような牢獄で
私たちは 少しだけ息づいている
美しい花々 草原
そして秋の日差
( それは憧憬だろうか、現実だろうかと、噂はいつも )
飛べない羽を何に使うのかと、きみは訊く。
透明すぎて目にはみえない、羽が、きみを青空の向こうへ
連れてゆく。
いつも、だから 私にとっては、青空は恐怖の対象なのだ
もう 誰も連れてゆかないで
誰をも つれてゆかない で
透明な羽へ
( 上りきったところで いつも
踏み台は外されるんだ )
箱をあけてください
どうか、
外の匂いは、いま
鮮明に 秋であるから
この秋が永遠へ流れ込んでいる音を聴く
一人
君の自由は牢獄を愉しむようにできていて
そこでは死ですらも
コーラの空き缶のように蹴り上げられる
檻の中で透明な羽がひらく
羽は光の源を目指して、秋風に乗った
その足跡が乾いて
青草の露が そっと地を舐めたら
跳躍、永遠への