スケッチ 1 (秋・永遠)
るか

   
    さりげない贈り物のような
   白い箱に真っ赤なリボンをあしらった
   その箱の中のような牢獄で
   私たちは 少しだけ息づいている
   美しい花々 草原 
   そして秋の日差
    
   
   ( それは憧憬だろうか、現実だろうかと、噂はいつも )


   飛べない羽を何に使うのかと、きみは訊く。
   透明すぎて目にはみえない、羽が、きみを青空の向こうへ
   連れてゆく。
   いつも、だから 私にとっては、青空は恐怖の対象なのだ


    もう 誰も連れてゆかないで
    誰をも つれてゆかない で
   透明な羽へ 
   ( 上りきったところで いつも
   踏み台は外されるんだ )


   箱をあけてください
   どうか、
   外の匂いは、いま
   鮮明に 秋であるから
   この秋が永遠へ流れ込んでいる音を聴く
   一人 


   君の自由は牢獄を愉しむようにできていて
   そこでは死ですらも
   コーラの空き缶のように蹴り上げられる


   檻の中で透明な羽がひらく


   羽は光の源を目指して、秋風に乗った
   その足跡が乾いて
   青草の露が そっと地を舐めたら
 

   跳躍、永遠への 










自由詩 スケッチ 1 (秋・永遠) Copyright るか 2010-09-19 13:35:18
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