すこしあるこうか(2)
吉岡ペペロ

窓辺からずっと虫の音がしていた

部屋をくらくしてそれを聴いている

目を閉じているのか

目を暗やみに開いているのか

もうわからなくなるくらい

虫の音につつまれていた

まっくろな宇宙のなかで

星々だけが瞬いているようだ

窓辺からずっと虫の音がしていた





自由詩 すこしあるこうか(2) Copyright 吉岡ペペロ 2010-09-19 01:21:06
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