銀河鉄道の夜の足
シホ.N
布団の中から
天井を眺めている
眠ることも
立ち上がることもできない
この忌まいましい心身
そんな折り
よく人の言うように
木目の模様が人の顔になったりはしない
そもそも天井に
木目らしきものはなかったし
ただ
オレンジ色の豆電球の光が
なんぼんも
なんぼんも足を生やし
細いのや太いの
伸びたり引っこんだりする
もしいつか
こんな夜に
こんな天井を眺めるのでなかったら
草のうえ
銀河鉄道も壮大に
星の夜空を仰ぐのだ
そして
漆黒の深き宇宙
しずかな星の光が
やっぱりなんぼんも
なんぼんも足を生やしているのを
見ている