せこいぼくだから
はだいろ


回転寿しで、
8皿ほど平らげて、
おなかが、あとすこし、だけ
すきまがあるようなきもち。
ここで、考えるのだ。

150円の、さんまと、
200円の、うに。
これで、350円か。
それとも、
一皿350円の、
中トロにするか。

これは、なかなか、
人生と、個性の、
本質をついた瞬間だと思う。
それで、ぼくは、たいてい、
さんまと、
うにを、
食べて、ちょっと、
食べ過ぎたなあ、と思ったり、
でも、せこい満足を味わったり、
手を出せなかった中トロへのあこがれを保ったり、
しながら、
まあ、
夏を生き延びたわけである。

ディスクユニオンへ行っても同じこと。
オレンジの札が、
20%割引だと、
どうしても、オレンジの札のレコードばかり、あさってしまう。
でも、
レコードなんて、買ったって、
聞かなければ、意味ないのにね。
ずっと、聞き続けられるような、音楽を、
いつも求めているのにね。
3900円で、
タムラモータウンのUKオリジナル盤のダイアナロス&スープリームスのベストか、
(2割引で)2500円の、シビル・シェパードの再発盤プラス、
ニッキ&ザ・コルヴェッツのUS盤1500円にするか。
せこいぼくは、もちろん、
後者を選んだわけである。

明日からは三連休。
このごろは、
休みのほうが、何したらいいかわからず、
日が長くてしょうがない。
ソープへ行こうかなあと思う。
39000円のソープ1回か、
22000円プラス、17000円のデリヘル2回か。
人生は、そんな選択の連続だ。
せこいぼくだけど、
いつもいつも、
おなじ選択をするとは限らない。
そう、
ほんとうは、
ほんとうの一回でいい。
一度だけでいい。
ほんとうに何かを選ぶのは、たった一度だけ、たったひとつだけ。


ソープの話は、またあとで。





自由詩 せこいぼくだから Copyright はだいろ 2010-09-17 21:21:06
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