かこのないひと
こしごえ

いま
空は
無色透明の雨
宙を切って黙礼をする
中性の直線
― 今日はこれといってなにも無い日ね
黙りこくる空
青ざめる
― お花がきれいね
(いつでもいまである)
どくだみは縁の下に咲いて
この日をまっている
いつの日も
暮雲は帰らない
月の青さに

影は無機質に微笑むか
何者であっても
何者へも
暗く透けている影であろうか
いま
限りなく

下着が透けるほどぴったりと
はりついてしまっている衣服をきがえる
ぬれてしまい
欠伸をかみ殺す
耳鳴りが
鳴っているけれどなにが原因か

自分にもわからない。
どこかで星がうまれてはきえ
きえてはうまれ

水玉に映る
輪舞する影の
いま
空は









自由詩 かこのないひと Copyright こしごえ 2010-09-15 06:27:21
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