斷秋 (破風)
アラガイs


晴れわたる青空に舞う更紗
けだるい午睡にあくびした一日
五感に溢れていた熱を
そよ風が駿馬にさらってゆきます


髑髏【しゃれこうべ】に讃美歌なんていらない
突然の嵐に
あなたはつむじを曲げてそう言った
さすがに猛風(たけかぜ)が本性を現すと竜巻を呼び覚まし 眠っていたタイヤの傷口にとどめの杭を打つ
漏れだすオイルの破れ管//錆付いた車庫を吹き抜けるすきま風が
わたしの胸に突き刺さります


【夜の静寂(しじま)は閉ざされ
響く蛩の羽根は擦り減り
木枯らしに散る
耐えてきた紬の糸は
血の鞘を裁ち切りました
/
赤い糸を撒き散らし
逃げるように
残菊が出てゆきます】
(欠けた祥月を残したまま)


凪ぎに落とし蓋をする
解夏(げげ)は熱いお酒でも飲んで
狂ったようにヘビメタを聴きながら
破傷風に爛れた傷をはやく塞ぎたい
遠雷は夜毎深まり
そんな夜には
一枚ほど重ね着をして寝ます / /
/






自由詩 斷秋 (破風) Copyright アラガイs 2010-09-14 03:01:36
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