二学期の憂鬱
相馬四弦
くたびれた下校時間
竹林を抜ける石造りの階段
いつまでも濃い陰と木漏れ日が
白い制服を斑模様に染めていて
吹き降りてくる風がさくりと
汗で湿った襟首を引っかく
みんな何処へ行ったのだろう
足元に転がった蝉の死骸を踏み潰せば
その音は数千の日々を貫通しながら
何度でも夏を閉ざしてゆく
自由詩
二学期の憂鬱
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相馬四弦
2010-09-12 17:52:40