lime ice
Akari Chika
at 4:00 PM
渇き疲れた 繭の空
絹糸が
照らす
遊歩道
南の国の
入口を抜けると
幼いわたしが
立っていた
冬に咲く
紫陽花のような
ちぐはぐな気持ち
持て余す
あの日
水玉の
ワンピースを着た
おばあちゃんは
子犬を撫でて
恥ずかしそうに
笑った
ビューティフル、
ビューティフルグランドマザー
家族と
アイスを
食べようか
そう言って
過ぎてった
夏の夜の庭
どうして
いつの間にか
わたし
こんなに
時の道を
歩いてきた
髪は肩の下まで伸びて
爪はきらきら光らせて
不思議
奇妙な
幸せを
覚えた。
誰か
わたしの胸の内を
ひとさじでもすくって
その舌で
溶かして
抑えようのない
未熟さを
その舌で
溶かしてよ
真夏の庭に
置き忘れた
lime ice
小さな
わたしに
突き刺さった
小さな
トゲを抜いてくれた
大きな手
今
てのひらを
広げると
あなたの顔が
浮かんでくるよ
梅雨が明ける
もうすぐ
梅雨が明けるよ
いつか
待ち焦がれた
夏が来るよ