嵐に吼える
森の猫

月に2回くらいの間隔で
あたしは 言霊を吼えたくなる

嵐が来るという

嵐の夜の朗読会は燃える
みんな 燃えてる

あたしの名前が呼ばれる

いつも 何だか一番目

朗読会にはお酒がセットだ
あたしも強いカクテルで
酔いがまわっていた


    生きにくさをキミは洞窟といい
    あたしは牢獄といった!!!


その晩 知った言葉を怒鳴り
ノートをステージに叩きつける

気分は高揚して
自分で書いた詩が
ものがたりとなって
あたしをまた
興奮させる

どう 演じたかなんて覚えてない

セックスのないホモの夫と
精神を病んだ飲んだくれの妻の


夜明け前の空は群青


吼える 吼える 吼える
吼えた!

     ごめんなさい 
     酔っ払ってます


あたしはそう最後に叫び
そのあとに

危うく
愛しいひとの
なまえを呼びそうになった

嵐の夜
朗読会は燃える


自由詩 嵐に吼える Copyright 森の猫 2010-09-11 01:00:24
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