落下する桃
はるな


明けがたに仕事を終えて
20分だけ男のひとに会った
くちの中に
たんぱく質の味を覚えながら
台所で立ったまま桃を食べた

うす暗く うす寒い からだのなかに
うす甘い桃が
ぬまぬま と
落下していく




自由詩 落下する桃 Copyright はるな 2010-09-10 18:30:11
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