どんぐり
アラガイs

オムニバスの森で
どんぐりを叩き割ろうとしていた 。

少年は陽が沈めば死ななければならない運命だった 。

あきらめかけた少年に
運命のひとつが味方をして
もう少し少年を苦しめることにした 。

そして (どんぐりの中身を誰かに食べさせろ )と告げた 。

少年は拾ったどんぐりを山のてっぺんから投げてみた。

どんぐりは土の階段をころがり落ちる

(りす)がいないので食べられない
(熊)はどんぐりを見向きもしない 。

食べられないどんぐりはそのまま朽ちてゆく

どんぐりはどんぐりのままで終わる
どんぐりはどんぐりのまま終わる

陽が沈んでも運命は変わらなかった 。

少年はどんぐりを あきらめた 。





自由詩 どんぐり Copyright アラガイs 2010-09-10 17:31:15
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