どんぐり
アラガイs
オムニバスの森で
どんぐりを叩き割ろうとしていた 。
少年は陽が沈めば死ななければならない運命だった 。
あきらめかけた少年に
運命のひとつが味方をして
もう少し少年を苦しめることにした 。
そして (どんぐりの中身を誰かに食べさせろ )と告げた 。
少年は拾ったどんぐりを山のてっぺんから投げてみた。
どんぐりは土の階段をころがり落ちる
(りす)がいないので食べられない
(熊)はどんぐりを見向きもしない 。
食べられないどんぐりはそのまま朽ちてゆく
どんぐりはどんぐりのままで終わる
どんぐりはどんぐりのまま終わる
陽が沈んでも運命は変わらなかった 。
少年はどんぐりを あきらめた 。