鬼を育てる
はるな
わたしは
鬼を育てている
小さくて可愛い
鬼を育てている
百年を わたしは三つに分け
大きいものは土に埋め
小さいものは火で燃した
一つ残った手まり程のを
わたしはするりと飲み込んだ
わたしの欲望は
小さくて可愛い鬼なのだった
赤く剥かれた鬼なのだった
わたしはうずくまる少女だった、
わたしはまた、泣きじゃくる少女でもあり、
突き動かされる情動であった
わたしは人間並の思考を持たない、
わたしは異変した肉の塊だ、
わたしは、そして、鬼を育てている
自由詩
鬼を育てる
Copyright
はるな
2010-09-09 16:11:46