放浪癖
朧月

薄くめくってゆけば出口があると
思うのだろ
決めてるのだろ

片手を壁につけて
ゆくんだよと教えた

両手を水平に保って
おぼつかない足取りで
リズムにあわせてすすめば
ほらついた悲境

なみだいろの
ひねくれた視線
悪に満ちたこの手を
君と重ねよう

さんざん洗えばもう
おちると決めてんだろ
大量の血液さえとかす薬剤で

夜を待たずにゆくんだろ
太陽のもとへ
ことづけるものはないさ
罰せられにゆけ

君の肩をゆさぶって
正気にもどしたい
できぬなら捨ててゆくよ
思い出もいらない



自由詩 放浪癖 Copyright 朧月 2010-09-08 20:58:30
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