等しく星は
瀬崎 虎彦
誘惑に楔を打ち込んで
眠る時間まで起きていると
耳元で死に際を忘れた
昆虫が床に爪を研いでいる
仕事の量で計るものでは
ないのかもしれない人の生に
僕はまだ何も成し遂げていない
長い長い休暇の淵にいる
燃え落ちていくものは感傷と
無縁の浪費癖だといい
くだらない連中に火を放ちながら
群れを離れて生きていけばいい
行き詰るときは無理に進むんじゃない
僕と君に等しく星は遠いのだから
自由詩
等しく星は
Copyright
瀬崎 虎彦
2010-09-07 22:28:15