イッツ オーバー
竜門勇気
イッツ オーバー
僕には今が
全て終わってしまった世界に見える
風はやみ
水は凍り
止め処ない循環は
すでに枯れ葉のように頼りない
イッツ オーバー
なぜこんなに悲しいのだろうか
どこからやってきて
どこへ行くのか
突然道の途中で放り出されたような気持ちだよ
君がそばにいた
今 いない
重力すら僕を捕らえられはしない
僕の心は自由に君にキスをしたり
手をつないで夢の中をはしゃぎまわりした
君の声がそれを許してくれた
イッツ オーバー
何もかもが遠く
過去という名の細かい白い粒の向こう
なにを夢見よう
何のために目覚めよう
僕はこれから何度夢を見て
何度目を覚ます?
終わりのない向かい風
恥じることが許されない堕落
満たされた摩擦
密閉された爆発
何度夢を見て
何度目を覚ます?
イッツ オーバー
僕にはなにもかもが
過ぎ去った過去に見える
明日への希望も
かつての絶望で塗りつぶされてしまう
なんで眠るのだろう
未来が来てしまう
なんで死ねないのだろう
未来を見てしまう
いつかこの 今と明日の
繰り返しから逃れられるのだろうか
イッツ オーバー
あの日々はただ僕が通ってきた道
そんな風に笑って言えるのだろうか
ただ今は苦しむだけ苦しんでいよう
イッツ オーバー
嵐はいずれ終わるだろう
イッツ オーバー
雨は生涯を雨のまま終える
嵐は生涯を嵐のまま終える
人は生涯を人のまま終える
ただ永久に変化をしないものはいない