日焼け止めなんすけどね、いやね、俺もね、ミカさん見習って美白しようかな、なんて。イメチェンっていうか、黒いの嫌だなって思って、黒人とか恐怖の権化じゃないっすか？　ギャングスターを連想して僕ちゃんちびっちゃう〜、とかそんなんじゃなくて、俺ヒップホップとかやってるし、ポーイ、あいつらって病的じゃないっすか？　あの黒い肌にうっかり触ると自分の肌まで黒くなんじゃねぇの？　って。ポーイってのはヒップホップっす、よくありがちな合いの手みたいな。俺、愛されたくて、夏、ニーゼロイチゼロ、みんなから愛され系のミカさんマジ神で、鈴木園子以来の白いカリスマっていうか、ランボー初めて読んだ時みたいなマイレボリューションで、やっぱミカさん大好きだわ、って付き合いたいとか滅相も無くて、こうしてずっとこの白い肌に触れていたいだけっていうか、ミカさんと一つになりたくて、むしろミカさんになろうかなっていう。
　ひかえおろー、このSPF40++が目に入らぬかー、って太陽に吠えてるんす、ありがとうを伝えたくて、ミカさんになってありがとうを伝えようと思ってるんで、ガチで。俺ヒップホップだし、悪そうなヤツしか友達いなくて、でその悪そうなヤツってだいたい黒人だから病むじゃないっすか？　マジ親に迷惑掛けて、おまえは病気だとか言われて、どうせ人間失格なんだからってドラッグパーティーとかしてたら黒人じゃないヒップホップでもない女の子とかも居て、人間らしく恋愛とかできるかなって思った矢先に、そういうギャルとはチルむパターンがお決まりじゃないっすか？　そんなん、なんも感じなくて、愛されないのかなって、リストカットして、ちょうどその頃ダンスフロアにミカさん見つけて、ミカさんは「うちら」って言ってくれて、初めて他人と一つになれた気がした、俺のレモンフレーバーなんすよ、愛されたいなんていうライムなんすけどね。