「沸点」
ベンジャミン

わたしを動かしている
脈々とした流れが在る

指の先まで細くゆきわたる
見えないはずの赤い糸が
ふつふつと啼いている

うずくのとは違う反応が
浮かんだ言葉を紙にならべて
つかの間なにかを忘れさせてくれる

けれども今日はひどく辛いので
わたしはその言葉たちの
本当の声を聞くこともできない

(夏を終わりにするのは
 このからだのほてりが消える頃)

それからわたしは
次の季節の言葉を探します

ふつふつと啼く
赤い流れに問いかけるように
 


自由詩 「沸点」 Copyright ベンジャミン 2010-09-05 02:07:16
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