ガリガリ君のようなもの
nonya
ときどき
風のように想い出す
君
のようなもの
唇をとんがらせて
僕でない何かを
見つめてばかりいた
あの頃
あまりにも痩せ過ぎていた
僕
のようなもの
すぐ目の前にある
君でない何かを
追いかけてばかりいた
二人して黙りこくった夏
のようなもの
アイスキャンデーが
溶けるのにも気づかずに
遠のいていった蝉の声
のようなもの
今ならたぶん
君の見つめていたものが分かる
ときどき
風のように想い出す
君
のようなもの
甘いソーダの匂いが
鼻をかすめたような
そんな気がした