すきなひとに会いに行く
森の猫

狐につままれたようだった
あたしは
都内の街を1時間を過ぎても
ふらふらと迷い歩いていた

すごい 熱
汗はふきだす
アタマはもうろうとしてきた

持ってたペットボトルのお茶を
がぶがぶと飲む

あたしは
なんともアナログな手書きの
略地図を反対方向に
歩いていたのだ

なんども なんども
人に道をたずね

元来た 駅にたどりついた
学芸大学
はじめて降りたところ

やっと
キモチをとりもどし
めざす お店に
コールする

言われたとおりに
すすむ

でも また
迷った

なんなの きょうは!

あぁ あたしのじんせいって
こうなんだと
思いめぐらす

あきらめなかった
すきなひとに会いにいくんだ

1時間が 2時間にも
3時間にも感じられた

見えた あそこだ!

ふらふらと地下への
階段を降りていく

受け付けついたとき
今 そのひとの
ライブは 第一声を
あげていた

ここちよい 音楽にのせて
そのひとは
言霊のうたを 話していた

長い長い 夜だった


自由詩 すきなひとに会いに行く Copyright 森の猫 2010-09-04 10:48:27
notebook Home