神戸
akb48
君が夜行バスで神戸に行ってしまう夜に
もう地元に帰れない俺たちは友達が一番多く住む町でセックスした
唾液にまみれ目をつぶり、まぶたの裏に友達の顔を
あいつならこんな時、どんな表情で見送るのだろうと
一人一人を思い浮かべていた
俺は糞みたいな大学に入るために名古屋から東京へ出てきた
東京大学に通うブス
大学6年の頃からECサイトの店長を続けてる
麻布のバースで飯を食ったり考えうる限りのどうでもいい事を続けて時間を垂れ流してきた延長だ
アパレルECくらいしかまともな事業を持ってないベンチャーのおっさんに拾われた
体を重ね合わせると、俺たちは二人とも熱いと感じる
本当に不思議だよ
だって熱ってあったかい方から冷たい方へ一方的に流れるもんだって、
小学校の時に理科の授業で俺は、そう習ったのに
てめえんちにゴキブリ100万匹食らわせてやろうか、マンションデベロッパーになった友人は立ち退きに応じないババアにむかってそう言った
カナダに逃げた友人は寒さに震えながら今もローストビーフを食って星野真理でシコり続けてる
長いワーキングホリデー
オーロラ
外務省に落ちた友達は慶応の院に行った
ティンパニがメロディを奏でることもある
東京は死んでもいいクズばかりが、死ぬほどくだらない事を断ち切れないままズルズルと続けている
つまりゴミ溜めの底みたいな街だ
そして俺も今、誰でもいい
まぶたの裏に浮かぶ奴になら誰でも、助けを求めている
神戸は夜景がきれいだと聞く
なぜ、夜は暗いのか
そしてなぜ、人は暗い場所に明かりを灯すのか
君は窓の中から、ずっと微笑んで
どんな顔もできずにロータリーに立つ俺に明かりを
灯そうとしている
俺たちはたった二人で
俺たちの幸せを
そして俺たちの気持ちよさを
この両手で
さわりながら作り上げていく事ができる
そのハズだった
俺は神戸に一度もいったことがない
そしてこれからも行く事はないだろう
神戸は夜景がきれいだと聞く
君がそういってた