継承の果実
朧月

両手にゆさゆさ
梨の重みかかえて
丸でもない 尖ってもない
梨はごろごろ ごろごろ重い

くるくるむいて
白い実があらわれて
私の内側までむかれていった

梨はみずみずしい私の
血液まで到達しているよ
くるり白い実だよ

炎天下のあの日
罵声をかけながら
継がない息子に呆れながら
遊びつくす孫を恨みながら
おじいさんに愛された梨は

白の実に結ばれた
私に告げている
命の美しさ

太陽は
残酷に光ってる
永遠とよべない命を
あざわらって

重い重い梨
両の手にゆさゆさ
運ぶとき確かに命を想う



自由詩 継承の果実 Copyright 朧月 2010-09-03 23:04:23
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