詩を書くこと
Akari Chika

言葉を抜き取ったら
私は
空っぽに
なってしまうのだろうか

愛情を表す表情は?
哀情を表す表情は?
こんなこと誰にも訊けないよ

胸の中に
タイムカプセルを埋めたの
お菓子の空き缶に
写真と手紙と蝶のブローチ

リボンを掛けて
心に埋めた
奥深くに

向かうところは
分からなくても進み続ける旅に
似ているのかもしれない
言葉は

「見つけて」と
泣きたくても探すのは私だろう
言葉を
その次の光を

ポットにお湯を溜めて
永い夜を過ごしながら
流れていく星を
眺めた

自己
哲学
そういうものは融け合って
裏切りを
遠ざける

子羊のコラージュ
耳に寄せて
おやすみ

時間を閉じ込められる箱なんて
本当はないよね
きっと

中身のないタイムカプセルを見たら
がっかりするよね
いつか

歩いても
立ち止まっても探すのが私だろう
言葉を
その先の希望を

詩を書くことは
玄関を出ること
旅の宿のもと
笑い合う人々は言葉

逢えたらまた笑おうね
また逢えるね
きっと

そうして
此処に
帰ってきたい

閉じ込められなかった
時間を甦らせた
この詩の上に
いつか


自由詩 詩を書くこと Copyright Akari Chika 2010-09-01 21:18:35
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