セロファン
瑠王


胸に彫刻刀をあてて
誰が家紋など彫ろうとするのか

いづれ君は
かどをヤスリで削って
私は誰でしょう、なんて
笑って(泣いて)

それでも
叩いた音の響きで
君はすぐに見つかってしまう

自由はとても四角い
そして午後の西陽はながく鋭い

たまには人知れず
木陰で乾いてみるといい


自由詩 セロファン Copyright 瑠王 2010-09-01 17:27:50
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