アイロンをかける
森の猫

発泡酒2缶を勢いに

エアコンかけて
アタマふわふわ

目はすわって
アイロンをかけている

主婦業60%以下の
ダメなあたしには
めずらしい行動だ

あたしは
昔 暗唱するくらいに読んだ
江國香織著”きらきらひかる”の
主人公。
”笑子”がホモの完璧な夫”睦月”に
唯一 頼まれた家事。

睦月のベッドシートのアイロンがけを
思い出していた

それも冬のみ限定の家事
それでも 笑子は
鬼気迫る表情でアイロンをかける

睦月は夏が来ても それを制する
ことができない
やさしさ・・・

セックスのない
恋人のいる夫”睦月”
睦月を無邪気に慕う 笑子

笑子は精神を病んでいる
翻訳家
酒豪

植木にお酒を
がばがば かけちゃう

痛い 痛い
純な愛のトライアングル

自分とかさなるような
ものがたりに はまっていた

アイロンがけの翌日は

雨じゃなければ
夕立かも

そんな
そんな
アイロンがけ

鬼気迫る アイロンがけ


☆引用・江國香織「きらきらひかる」


自由詩 アイロンをかける Copyright 森の猫 2010-09-01 00:23:57
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