熱圏
相馬四弦

ラジオノイズ

三秒先の暗闇から

明日の天気を届ければ

雲を脱ぎ捨ててしまう

その少女、青いシャドウ、巨大な蛾のような

指先に灯る重力が

心をそっと撫でてゆく

また一日を、浮遊する、そして

群からはぐれた羽根がちらほらと

こんなに高いところまで飛んできたら

もう空には帰れない

老い朽ちた人工衛星の肩に

ふわりと泊まって

じっと待っている

いつか共に墜ち

空想、少女の現実の中で

燃やし尽くされる日を

サヨナラ

毎日そうだけど

今日もいい天気だ








自由詩 熱圏 Copyright 相馬四弦 2010-08-31 14:50:57
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