シラナイ世界
朧月

どいてください
とも言わずに抜いてゆく
人の背中を見送る

かする肩先
シラナイヒトの顔
感じる体温

見上げる空は
決してまるくない
四角くもない
なぜ
部屋からみた景色はどこだろう

本は素晴らしいとうたうけど
どこにも見当らない
世界はどこからはじまるのだろう

つまずいた私を
低いところから見つめる視線
窮屈そうに咲く 花がある

世界なんて言葉を求めて
歩き出すけど
交差点が入口のよで 出口のよで

吐き出される黒い空気
私の影が
だれかの癒しになれと祈りながら
右へ左へ揺れながら進む





自由詩 シラナイ世界 Copyright 朧月 2010-08-31 09:47:31
notebook Home 戻る