Lavo
Akari Chika
安らぎの意味も忘れるほど
孤独を噛み締める夜
走り去っていく
あなたの夢が
繰り返し浮かんでは
消えていく
幸せな夢を見られないなら
眠る意味って
ないのかな
朝日が街の
輪郭を縁取る頃
緑の風が
吹き抜ける
光の泡が降りてきて
この痛みゆっくりと
洗い流してくれた
目を開き
背を伸ばす
腫れたまぶたに
冷えた空気が
心地良い
道路の隙間から芽を出す雑草
その 緑の美しいことや
佇まいに 救われる
一人の人間に配られる
幸福の量が決まっているのなら
願う意味って
あるのかな
箱庭のような世界の中で
生きて 動いて
誰かを想うことの
不思議
心を巡る蜂蜜は溶けて
花開く蓮へ
身を落とす
夜が震えて 朝になり
網膜に映るは
懐かしき色
潤沢な愛に甘えて
ここまで来れたこと
今更のように
思い出す
未来の人よ
こんなに傷ついた日々を
どうか笑わないでほしい
光の泡よ
どうかもう少しだけ
この痛み洗い流して
虚しくて潰れそうだった
雫の裏側に映る
私の泣き顔を
ちっぽけな緑が
受け止めてくれた
その ささやかな命を守るため
この世界は
在るのかもしれない