忘れ物
うずら豆

蝉の抜け殻を見つけた
希望に溢れて殻を脱いだのだろう

解放と自由の空
命懸けで恋するために

体が破けるくらい大声で
今が夏と教えてくれる

炎天下の中に響き渡る
原初からの生命賛歌

子供のときに感じた
鮮烈な原色の光景

そうだった
夏とはそういう季節だった


さて
忘れ物を取りに行こう



自由詩 忘れ物 Copyright うずら豆 2010-08-20 01:54:55
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