けど でも
砂木

すずめをひいた
会社に出勤途中
青空の下でひいた

フロントガラスからみえた
ちゃんと道の上を横切ったのに
なんですぐ私の車の下に引き返すの
くちばしから餌を落としちゃったのか

あっという間もなくミラーで
道路に小さな塊をみる

すずめをさがした
会社の帰り 運転しながら
薄暗くなったけれど

ここだったかな 
思った場所にはない でもふっと
ぺしゃんこのゴミをみた気がする
反対車線だったけど

かわいいなどといったところで涙もでない
詩にしたところでなぐさみものだ
なんでどうして私の運転する車にひかれるの
ついつい恨んでもみるけれど
ごめんと 詫びたりもする

鶏肉を好きで食べるのに真実味がないけれど
ひきたくてひいたんじゃないよ
そこのところわかってよね
死んだすずめをおどしてどうする
けどでも ごめんごめんごめん


自由詩 けど でも Copyright 砂木 2010-08-19 21:22:33
notebook Home