けど でも
砂木
すずめをひいた
会社に出勤途中
青空の下でひいた
フロントガラスからみえた
ちゃんと道の上を横切ったのに
なんですぐ私の車の下に引き返すの
くちばしから餌を落としちゃったのか
あっという間もなくミラーで
道路に小さな塊をみる
すずめをさがした
会社の帰り 運転しながら
薄暗くなったけれど
ここだったかな
思った場所にはない でもふっと
ぺしゃんこのゴミをみた気がする
反対車線だったけど
かわいいなどといったところで涙もでない
詩にしたところでなぐさみものだ
なんでどうして私の運転する車にひかれるの
ついつい恨んでもみるけれど
ごめんと 詫びたりもする
鶏肉を好きで食べるのに真実味がないけれど
ひきたくてひいたんじゃないよ
そこのところわかってよね
死んだすずめをおどしてどうする
けどでも ごめんごめんごめん