私が空を飛んだら
朧月

私はもう
人間に生まれない
どんなに短い命であっても
どんなに簡単に滅びても
空を飛ぶ命に生まれたい

私は人間をやめたい
人間の今日を終えたら
一瞬のひかりになってもいい
ならなくても いい

成し遂げようとして
届かそうとして
今日も今も懸命に
腕を伸ばしているけど

今終わりの合図がくるなら
この手 ぱあにして広げよう
いちにのさん なんていらないの
さよならの挨拶もいらないの

空はどんなでしょう
空中って どんなでしょう
夢で飛んだ気もするけど
自分で飛んだことがまだないから
憧れっていうのでしょう

人間をいつかやめられるとき
あなたにそっと教えましょう
あなたがもしかしたら気付かないかもしれない
そっと背中をなぜましょう

人でいる限り涙は枯れないの
人でなくなったら泣かないの
だいすきな空飛んで笑おう
悲しまないで あなたを待っててあげる

人間やめたいって内緒だよ
だれにも言ってはいけないよ
合図がくるまで同じ
顔で目の前の道あるきながら待ってるよ



自由詩 私が空を飛んだら Copyright 朧月 2010-08-17 21:57:09
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