夏の君
朧月

夏の空に太陽が飛ぶ
大きな大きな太陽のひかりが
僕たちにふりそそいで
頭を地面に押し付けてゆく
車もぺしゃんこだ

自転車だけが空気を利用して
すり抜けてゆく
まるで海の中の魚みたい

信号機は点滅する暇もない
並ぶ君の髪がきらめいてる
なにから話せばいいのだろう
なにが必要なのだろう
君は目を細める

ペットボトルにつめた期待を
君に手渡すとき触れる手の熱さは
太陽のそれなのか
君の体温なのか もうわからないけど

反射してる君の
髪がまぶしすぎて 僕は目をそらす
夏のせいにしたい
君との共有する汗までも
一緒であることがうれしい



自由詩 夏の君 Copyright 朧月 2010-08-17 13:09:10
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