夏の君
朧月
夏の空に太陽が飛ぶ
大きな大きな太陽のひかりが
僕たちにふりそそいで
頭を地面に押し付けてゆく
車もぺしゃんこだ
自転車だけが空気を利用して
すり抜けてゆく
まるで海の中の魚みたい
信号機は点滅する暇もない
並ぶ君の髪がきらめいてる
なにから話せばいいのだろう
なにが必要なのだろう
君は目を細める
ペットボトルにつめた期待を
君に手渡すとき触れる手の熱さは
太陽のそれなのか
君の体温なのか もうわからないけど
反射してる君の
髪がまぶしすぎて 僕は目をそらす
夏のせいにしたい
君との共有する汗までも
一緒であることがうれしい