狩る 闇
砂木

白とピンクの花が混じりあい
知らない色が茂る

どちらも増えようとして消える
相手の居場所までとろうと思わなければ
変わらずにいられたのに

住みやすい土へ
どちらともなく根をのばし
吸収しあって別の生き物になる

蟻を食べた蛇が蟻に食べられ また
その蟻が蛇に食べられ 何が生まれる
いつか見知らぬ生き物が生きるために生まれる
この土の上

肉から草から 歯噛みの音がする
人を栽培する草が
人を飼う肉が 生まれないはずがない

ウイルスは 土を食べて土に食われたDNA
知識にくわれて知力でくらいつき
殲滅した土地に住むのは 闇
そして 光と犯しあう



自由詩 狩る 闇 Copyright 砂木 2010-08-15 21:16:06
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