歌舞伎町の女王
TAT






































俺がホームセンターの850円の丁稚だった頃























俺には将来のビジョンなんて無くて







無職でプーで土日祝日年末年始もフルタイムで出勤可だった






























ポマード臭くて説教が長い店長は







日曜日は早番の昼休憩で







10チャンのスーパージョッキーの生着替え欠かさず観てた店長は
















夏休みに帰省してちょっと小遣い稼ぎにバイトしに来た
龍谷大学の設楽君を

















俺より数段丁重に扱って






もし良かったら卒業後は社員に成ってみる気は無いか?
とか何とか、、、、

































メガネはめた包茎臭ぇ設楽の馬鹿がシフト飛びやがるから












俺は休みが飛んじゃって












俺は真剣に刑法調べて今

































俺が店長と設楽の頭蓋骨レンガで割って後、穏便に自首したら




























何年喰うのか

















未成年だし結構早目に










済むんじゃないのとか










結構真面目に天秤調べてた



















足上げて寝てた長距離ドライバー起こして













東京まで連れてってくれないか頼むちょっと前の話









東京でガチのホームレスになって









無為に横になって朝陽と夕陽を何遍もただじっと見つめ




腹が鳴ったら腰を上げる









そんな生活に身を堕とす










一年程前の話






























店長の目を盗んでペットコーナーの倉庫の受話器を上げて






外線プッシュして有線に希望を告げる






ペット主任の吉岡さんは







いっつも








ジッタリン・ジン











俺は耳が早い方で

























さっきかかったあの曲を













さっきかかったあの曲は




















誰の
















何て曲ですか?





















受話器の向こうのウグイスは




















歌うように教えてくれた





















あぁ、あの曲は





















あの歌手は
































『椎名林檎です』と

























リンゴだなんて変な名前って






















吉岡さんはそう言って笑ってた






















誰も















彼もが
























『シーナ・リンゴ』なんて名前の唄い手は





















知らなかった
























あの
























































自由詩 歌舞伎町の女王 Copyright TAT 2010-08-15 00:25:33
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