闇への階段
恋飴

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――からんころんからんころん



暗い道で
私の履いてる下駄の音だけが
辺り一面に広がる

真っ暗な暗闇に
吸い込まれるかのように
音は消えて行く…


木々が揺らめき
私を手招く

――オ嬢サン、コチラヘオイデナサイ

深い闇へと
私を手招く


――からんころんからんころん


下駄の音は楽しそうに
深い闇に向かう

私の心も楽しそうに…



「ネェ、闇ニ堕チタラ泣カナクテイイノカナ…?」


私は一歩、また一歩と
闇へ足を運ぶ


私の狂った笑い声と
下駄の楽しそうな音は


深い深い闇へと
消えて逝った


自由詩 闇への階段 Copyright 恋飴 2010-08-12 21:19:31
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