虫けらに
生田 稔



 虫けらに
 
一匹のちっぽけな虫を
叩こうとして
いったい、どれほどの敵を
この虫は逃れたのか
私が殺害しようとしている
この虫は
わたしではないのか
これから、いったい
どれほどの敵と
わたしたちは邂逅するというのか


自由詩 虫けらに Copyright 生田 稔 2010-08-11 15:58:44
notebook Home