ほとり
小林 柳


微風が髪を流し
湖面を波立てる
(ほのかな水のにおい)

揺れる草の残像を
午後の残り火が彩る
(影、深まる濃紺)

誰に向けた言葉もなく
夜の静けさを待つ
(しるしに満ちた沈黙。)



自由詩 ほとり Copyright 小林 柳 2010-08-11 00:01:54
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