「虹」
ベンジャミン

ゆらめいて
いくつもの色がゆらめいて
地上に暮らす僕は
少し先の陽炎に
夏を見る

そうしているうちにも
流れてゆくすべてが
今日を何処かへ運んでしまうので

僕は何か大切なものを
忘れてしまいそうになる

だから僕は
青いホースの先を空に向け
輪を描くように散水しながら

今日という日の虹をつくって
夏を見送る仕度をする
 


自由詩 「虹」 Copyright ベンジャミン 2010-08-08 23:45:45
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