Diving for...
雨音些末
また
あの夢を見た
いつもの
色にあふれた夢
私は
長い髪をなびかせながら
蜂蜜色の 水底を目指す
白く薄い 頼りなげな服で
右手を 前に
遠く差し出しながら
果てしなく澄んだ水は
やわらかな
午後の光をすべて受け入れて
あたたかく 明るい
手の甲や 水底に
黄金の波が 風と細工する
さざ波の足跡が映り
鱗のような紋様を躍らせる
そこでは
小石も 砂も
滴る蜂蜜の
黄金色
水底について
ふと水面を見上げれば
水銀のようなあぶくが
ふるえながら
天を目指す
波打った髪が
頭の動きにあわせて
動いたとおりの動線をたどる
水の中の五線譜
魚もいない
ただ透き通った
蜂蜜色の 海の底
時折揺れる ケルプの
合間を 縫いながら
私は 泳ぐ
孤独な魚のように
何を捜して
私は潜るの?
何を求めて
私は泳ぐの?
夢は何も教えてくれない
長い長い時間
一人で泳いだあと
私は水面からそっと顔を出し
久しぶりに呼吸をする
目の前に広がるのは
大きな切り立った
夕日色に照らされた
岩山の 崖
空は夕日と青空がせめぎ合う
銅でコートした青の夕空
なんて言うんだろ
独特の色
いつもそこで目が覚める
もう随分昔から
何度となく見る夢
私は 何を捜して潜るのか
私は 何を捜して泳ぐのか
分からないけれど
いつも同じ場所から始まって
同じ場所で終る
色が 心からはなれない
いつもの 夢のお話