猫 —鳥獣虫魚より—
非在の虹

合歓(ねむ)の木の上で眠りをむさぼる不らちな内臓
不透明な猫が目覚めたところだ
今そこにいた所に白っぽい魂を残して
静かにとなりの木に移る

走り去る猫
睾丸は膨らみ過ぎて目玉と区別がつかぬ
瞳孔を縦長にして
静かにとなりの木に移る

なぜ許されるのか その怠惰を
鳥類の動きすら追わず
「あしたのてんき」のみに耳そばだてる

猫は廃墟の比喩となるべし
猫は藻屑の比喩となるべし
空から尿が激しく降り出す


        2002年初稿 2007年弐稿 2010年参稿


自由詩 猫 —鳥獣虫魚より— Copyright 非在の虹 2010-08-06 10:26:51縦
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