かんかん踏切
……とある蛙
かんかんかんかん
かんかんかんかん
赤い光の警報機
降りる遮断機の
その先は
急行電車が
飛んで行く。
かんかん手を振る
二歳の子
電車を見ながら笑っている
夕日はとっくに夢の中、
背負うおやじの肩越しの
次の電車を待っている。
かんかん手を振る幼子は
風と一緒に舞い上がる
おやじをかんかん踏切に
残して夜空に舞い上がる
おやじは小さな豆粒に
ねんねこの中に幼子が
おやじはそれでも踏切で
次の電車を待っている
かんかん踏切黙ったままで
背負った幼子 夢の中
おやじとかんかん踏切を
夜空の上から見下ろして
次の電車を待っている。
かんかんかんかん
かんかんかんかん
かんかんかんかん
かんかんかん
次の電車を待っている。
子どもはひとり夢の中