普通の話
真島正人



それがそこにあり
僕たちは離れて行き
そして
範囲を指定する

土砂崩れに
身を任せるわけにも
行かず

僕は
回転する椅子の上に座り
懐かしい風景を思い出し

風景の中に急に
強い風が吹き抜ける

でもそれも
思い出の光景のままだ

僕は目を閉じて
あちらからこちらまで
移動する自分を思い浮かべ

そして目を開けると

この場所にいる

時間は
位置移動と
交換性で

時間は
位置に換算すると
急に心もとない

あそこから
ここまで
あの程度で?

そのあいだには
あんなにあるのに
なぜ?

感覚の問題?
感覚の何かを
間違えているの?

それとも
ここにいて
あそこにもいる
あそこから
ここまでには
距離はあって、ない



自由詩 普通の話 Copyright 真島正人 2010-08-06 03:07:24
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