透く色
ゆず

「疲れた」
呟いたきみの青白い顔が
目を閉じれば今も。

どこかからじわじわと
あふれてくる熱が
僕の指先を震えさせ

すべてを手放したくなる
ピアノの音

(生きててよかったと、確かに思ったのさ)

身をゆだねてしまいたくて
胃薬を飲む。


自由詩 透く色 Copyright ゆず 2010-08-02 22:01:05
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