いつでも海のように
朧月

あまりにも苦しいから
もう子供なんかいらない
そう叫んだら生まれた

あなたは私にいう
生まれてから記憶があるまでの私は
私でないと思うようになった

だから
なぜ生まれたかを思い出さないことにした

父親に似ているからいやだ
あなたは私にいう
だから 遺伝子なんてないと思うことにした

理想も希望もいわないことにした
レールを ただ歩くことにした
景色は 地球のそれだ
夜明けは いつもきた
夜更けもまた

あるとおもうことにした
自分の居場所は
ここではないかもしれない
なんておもわないようにした

生きられる
理由なんてなく
私は 生きている

海をみるのがすきだ
人が生まれるのは
潮の満ち干きのせいだと
おばあちゃんがそういったから

だれも責めない
海みたいに
キラキラする瞬間だってある
自分をそうおもうことにした



自由詩 いつでも海のように Copyright 朧月 2010-08-02 10:46:20
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