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竜門勇気


強盗団の活躍が
俺の耳に届く頃
酸化しきった鉄の
熱がうるさくて眠れない

喋るのはやめだ
ねるのも食うのも
転げたパズルで
死にかけている

晴れの日には
晴れたなりに生きてきた
曇ればそれで
隠れてるふりをした

たった一枚だけ
越えられない壁って
ねーよなって思って
万能なふりを続けていよう
どこまでも続くなんて
力学的にねーよなって
綻びを探して
できれば終わりたい

こんな人生だ
そんな風にして潰してくんだ
だれかの安い人生訓で
いっつも目をそらされてきた
あーそのだれかは孤独すらも
分かち合っちまうな

淋しいのは俺だけか
悲しいのは俺だけか
誰ともわかりあえないままで



自由詩 emx Copyright 竜門勇気 2010-07-31 23:30:28
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