君の水 君の魚
nonya


君の鎖骨の裏側から
湧き出る清らかな水は
僕の思い上がった左手には
少し冷たかった

君の脾臓のほとりで
青白くひらめく魚は
僕の遠視ぎみの右目には
少し痛かった

お願いだからもっと温んでよ
僕が君の水を無闇に
掻き回してしまう前に
微熱の瞼でアッカンベーしてよ

お願いだからもっと濁ってよ
僕が君の魚を無闇に
追い駆けてしまう前に
暖色の舌をペロンって出してよ




自由詩 君の水 君の魚 Copyright nonya 2010-07-31 16:20:10
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