めぐり ひまわり
木立 悟







白と黒が
澄んで灰となり
風に回り
風に旋る


皆たなびき
布にくるまり
渇いたまま
濡れている


風のひとつが
曇に触れるひとつを見ている
着いては生える
影を見ている


水の位置に関わらず
水へ水へ落ちてゆく
色も音も
ふるえ落ちる


端の空に
にじみうたい
透る足跡
霧あびる双子


どうしようもなく抱き
どうしようもなく行う
光の野から
はじかれて歩む


夜ゆく夜から名はこぼれ
金へ金へ沈みゆく
雨が置くもの
またたくもの


うちおろされる指と指の間を
窓は窓に埋めてゆく
熱が熱に生まれるところ
咲かない花のための庭


望む前に望みは在り
金や緑のかたちにつづく
尽きることのないものへ
尽きてははじまる波を放つ


窓に毒を吸われつづけて
夜は少しだけ明るくなる
擬音の庭にひらく手のひら
隔たりを隔たりに越えてゆく


銀河は昇り
声に混じる
影と木 影と木
行き来する火


雨が雨を送る
光は常に 音の後を追う
緑へ 緑へ
偏移する


遠く遠く 暮れであるもの
さらに遠く 溝であるもの
花のなかの息
片目つむるもの


悲しみがまぶしいとき
見えぬ指 見えぬ花
ふたりの子の背につもり
風のない径にはばたいてゆく
























自由詩 めぐり ひまわり Copyright 木立 悟 2010-07-30 11:00:12
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