俺は砂漠の三日月に太陽の熱を鎮めるトカゲ
TAT













俺は砂漠の三日月に太陽の熱を鎮めるトカゲ




























きのう加藤君から電話があった






















オアシスの水と
堅いナッツみたいな昆虫と
百年も前に通り過ぎていったキャラバン以外何も持っていないトカゲ
























木屋町三条上ルのカフェで









俺はポンコツの君にキスをした










君はポンコツの俺とキスをした

























千年も前の話





ユダが









銀貨に目がくらむ前の話
















俺は砂漠の満月に a.涙を流して
ひざまづくトカゲ

















a.『涙を流して』部は勿論比喩だ














涙なんてとうに涸れてしまっていて





実際にはカラカラの










泣くに泣けないトカゲ




















きのうキャラバンの加藤君から電話があった

















俺は些細な旧知の最新情報に













ダメージを受ける頭痛持ちのトカゲ






















『次いってみよう』とか











ドリフターズじゃあるまいし

















あっちもこっちも救おうなんて甘いんだよ


『いつまでも君をライス!』って


口開けてランチ喰いながら


そう言ったんだろうが



















俺は角質ばった表皮の中の心臓を月食に喰われたトカゲ























魂が空っぽのトカゲ

































俺は砂漠の熱に太陽の熱を鎮めるトカゲ


















自由詩 俺は砂漠の三日月に太陽の熱を鎮めるトカゲ Copyright TAT 2010-07-29 23:25:59
notebook Home