フェンスの端から
ひち



あなたから這い出た僕は小さな僕を水面に見ている
ああ僕は碧いのだ
艶やかに湿る僕は赤い目をしている
景色を映すそれが涙のようだ
潤んだ世界のほかを僕は最期まで知ることはないだろう

今から飛び降りる世界に
僕は小さな僕を見るだろう
今から臨む世界では
僕はきっと啄まれる存在だろう

あなたの全てが分かるまでは生きていたいと思う
優しいあなたの中から這い出た小さな僕は
落ちる陽を水面に見ている


携帯写真+詩 フェンスの端から Copyright ひち 2010-07-29 21:49:01
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