雪月花
夏嶋 真子
淡雪は炎のように降りつもりきみの素肌の灼熱を知る
凍蝶の滑り落ちゆく黒髪にかかる吐息は結晶化して
性愛の天を凌いで伸びる蔓 凌霄花は空にまみれる
梔子の白昼夢からあふれだす途切れ途切れの白いさざ波
三日月に腰掛け星を集めてはきみの星座を鎖骨に飾る
月の海にあなたは果てて静かな死 紋白蝶がかかとに留まる
雪月花 ふたりは園に埋もれて夢のあわいに置き去った夢
短歌
雪月花
Copyright
夏嶋 真子
2010-07-27 13:18:44
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